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<Author: 杜甫>
<Title: 天末懷李白>
<Format: 五言律詩>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 天末に李白を懷う>
<BookPage: 358>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
涼風起天末，
君子意如何。
鴻雁幾時到，
江湖秋水多。
文章憎命達，
魑魅喜人過。
應共冤魂語，
投詩贈汨羅。
<End Poem>
<Translation>
涼（すず）しい秋風（しゅうふう）が、この天（てん）のはてともいうべき秦州（きんしゅ）の地（ち）に吹（ふ）き起（お）こった。李白（りはく）よあなたは今（いま）どんな心境（しんきょう）でおられることか。あなたの手紙（てがみ）を届（とど）けるはずのがんは、いったい、いつ届（とど）くのだろうか。あなたのいる南（みなみ）の川（かわ）や湖（みずうみ）のある地方（ちほう）は、秋（あき）の水（みず）が、みなぎりあふれているであろう。

そもそも文学（ぶんがく）というものは、その人（ひと）の名利栄達（めいりえいたつ）を憎（にく）みきらうすなわち、文学（ぶんがく）と富貴（ふうき）とは両立（りょうりつ）しないものであるらしい。あなたの不遇（ふぐう）もそれによるのであれば、山沢（やまざわ）にすむばけものどもが、あなたの行（ゆ）く道（みち）には人（ひと）の通（とお）り過（す）ぎるのを喜（よろこ）んで待（ま）ちうけているであろう。今（いま）、あなたはきっと、あの無実（むじつ）の罪（つみ）に死（し）んだ屈原（くつげん）の亡霊（ぼうれい）と語（かた）り合（あ）うために、詩（し）を汨羅（べきら）の淵（えん）に投（とう）じて贈（おく）っているにちがいない。
<End Translation>